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知らないと危険!未払い残業の原因と防ぐための実務ポイント

はじめに

未払い残業は、気づかないうちに発生し、後から大きな労務トラブルに発展する可能性があります。企業にとっては、労働基準法違反による行政指導や、残業代の遡及請求、訴訟リスクなど大きな負担となります。本記事では、未払い残業が発生する原因とその仕組み、さらに企業が取るべき防止策と万が一の対応方法まで、実務に役立つ視点でわかりやすく解説します。


1. なぜ未払い残業が発生するのか

1-1 残業代の計算ミス・誤認識が生む落とし穴

残業代は、基本給だけでなく各種手当も含めて計算されるべきですが、誤って基本給のみを基礎に算出するケースが多く見られます。さらに、残業の単位切り捨てや端数処理が適切でないと、それも未払いに該当する可能性があります。

1-2 タイムカードと実態のズレによるトラブル

「定時退社」に打刻させつつ、実際はその後も業務をさせているケースは少なくありません。記録と実態の不一致は、後に従業員側から証拠として指摘され、未払い残業として請求される要因になります。


2. 法律から見る残業代の支払い義務

2-1 労働基準法における残業の定義とルール

労働基準法では、1日8時間・週40時間を超える労働に対して残業手当(時間外労働手当)を支払うことが義務付けられています。また、労使協定(36協定)の締結と労働基準監督署への届け出も必要です。

2-2 時間外労働・休日労働・深夜労働の割増率

時間外労働は25%、休日労働は35%、深夜(22時~翌5時)の労働は25%の割増賃金が必要です。これらが重なる場合は加算されるため、正確な労働時間の把握と適切な割増計算が求められます。


3. よくある未払い残業の事例とリスク

3-1 みなし残業・固定残業代制度の誤運用

固定残業代制度を導入していても、超過した分の残業代を支払わないケースがあります。制度があっても、実態と乖離していれば未払いとみなされ、遡及請求の対象になります。制度導入時の明示と実態管理が重要です。

3-2 自主的残業でも支払い義務はある?

「従業員が自主的に残業していた」としても、使用者が把握可能だった、あるいは黙認していた場合は、労働時間としてカウントされる可能性があります。管理者の無関心や曖昧な指示が未払いの温床になるケースもあります。


4. 未払い残業を防ぐための実務対応

4-1 正確な勤怠管理の体制を整える

タイムカードや勤怠システムを用いて正確に勤務時間を記録し、記録と実態にズレがないように管理しましょう。打刻だけでなく、退社時間の確認や日報、管理職のチェックなど多角的な把握が有効です。

4-2 就業規則・労働契約の見直しポイント

労働時間・残業申請のルール・固定残業代の内訳などを明文化することで、労使の解釈のズレを減らせます。定期的な就業規則の見直しと、労働契約書の整合性チェックが、未払い残業防止の鍵となります。


5. トラブルが起きたときの対応方法

5-1 請求されたときの初動と証拠の整理

残業代を請求された場合は、まず冷静に勤怠記録や契約書を確認し、証拠を整理しましょう。感情的な否定ではなく、事実をもとに対応することが重要です。記録がない場合、従業員側の主張が認められやすくなります。

5-2 社労士など専門家に相談するメリット

未払い残業問題は、法的リスクが高いため、早い段階で社会保険労務士などの専門家に相談することをおすすめします。専門家は、実態に沿った対応策の提案や、就業規則・制度の整備まで一貫して支援できます。


まとめ

未払い残業は「気づかないうちに発生していた」というケースが多く、法令違反や高額な遡及請求に発展するリスクがあります。勤怠管理の精度向上や、就業規則の整備、管理者教育を通じて、予防する体制づくりが重要です。企業としての信頼性を守るためにも、今すぐ対策を見直してみましょう。


\未払い残業トラブルの予防・対応に/

お問い合わせ – 京都府八幡市で労務・法務の相談なら「社会保険労務士法人田原事務所」

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